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2022/06/20

リスニング練習は、無駄。

「聴解力を上げたいのですがどうしたらいいですか?」と、よく質問されます。

これは、質問自体が間違っています。
聴解力を上げるための練習は、する必要がないからです。

前回の図を見てください。
会話においては、下の段の「書く・読む」は簡単なので自習できます。
貴重なレッスン時間をつぶして、やることではありません。

同様に「聞く能力」は「話す能力」の一部分なので、そこだけを取り出して練習するのは時間の無駄なのです。
自分が話せる内容は、全部聞くことができます。
しかし、聞ける内容が全部話せるとは限りません。
話すというのは「正しい発音やイントネーションを、正しい順番で並べる」と言う作業が必要だからです。
聞くためには、それらは必要ありません。

それに「まず相手の話を聞いてそれを理解してから、正しい答えを考える」などの受け身的な発想では、いつまでたってもしゃべれるようになりません。
あなたが映画スターとか超絶美人などの特別な存在でない限り、誰も向こうから話しかけてはきません。

自分から話題を振れば、相手の答えはそれに対応しているので予測もつき、余裕で主導権を握れるのです。
また「この人は話せる人」と印象付ければ、次回も話し相手になってくれます。

なので、自分から何かを聞くこと、それに対する答えも自分で考えること、それで一人でも会話練習ができます。
「相手がいないから会話練習ができない」などと考える人は「まず聞いてわかってから答えを考える」と誤認しているので、実際に外国で生活しても決して上達しません。
方法や認識が正しくなければ、どんな環境にいても同じです。
ニューヨークに10年いても全くしゃべれない人がいるのは、こうした理由からなのです。

なので「しゃべるための練習」以外はほぼ時間の無駄です。
授業時間だけでは絶対足りないので、ぜひたくさん自主練習を繰り返しましょう。
そこは、俳優さんが台本を読みこなす、ピアニストが発表曲を練習する、そんな気持ちが必要です。
理解して暗記して次に進む、そのやり方はもうやめましょう。
話す練習だけで、もう9割方の習得は終わっています。

*聴解力にも秘訣があるのですが、それは次回の機会に。



リスニング練習は、無駄。
リスニング練習は、無駄。