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2022/06/17

絵記号を中国語に転換する、画期的な処理技術。

まず、一枚目の図をご覧ください。

この絵記号を日本語に訳すと「リンゴとバナナ、あなたはどちらが好きですか?」です。
番号で言えば、①→③→②です。
日本語の発音を、この順番で並べるわけです。

中国語は、この絵の通り①→②→③の順番で並べます。
(日本語と同じ①→③→②の順番もあります。)
バイリンガル脳を作るには「日本語を共存させない」が必須条件ですが、一般にはこの問題を解決する手段を持っておらず、口頭で「日本語で考えるな」と指導するだけです。

当教室では、名詞だけでなく形容詞や動詞や語順までもすべて絵記号に転換することで、この問題を解決します。
「絵記号から中国語を直接起ち上げる」練習をすれば、自然と日本語が邪魔になり封印できるようになります。
この単語を並べる順番が、それぞれの言語の文法になります。
(二枚目の図。)
ちなみに英語だと、③→②→①です。
日本語や中国語とはまた全然違う文法であることがわかります。
もしあなたが英会話を反射レベルで身に付けたいなら、英文法を日本語で理解せず、このような絵記号を作って反復練習すればよいのです。
このように分けた要素を組み替えることで別の文も作ることができますが、それは日本語から転換したものではありません。

絵記号は日本語ではなく、中国語の文字に転換するだけでよいのです。
一度でもこの脳の使い方を味わったら、一々翻訳して日本語で考えることはしなくなります。

運動でも語学でも、より効率的な体や頭の使い方は、快感を伴います。
その快感をもっと楽しむことを脳が欲求し、上達していくのです。

絵記号を中国語に転換する、画期的な処理技術。
絵記号を中国語に転換する、画期的な処理技術。

2022/06/08

ネットに出ていた「効果的な英単語記憶法」。

最近は、色々な情報がネットに溢れています。
私も最近、ある脳トレの無料動画を見ました。それは「効果的な英単語の覚え方」と言う内容でした。

それは、こんな感じでした。
「Signage(看板)」と言う単語を覚える時「サイが突進して看板にぶち当たり、ネジ止めされる場面をイメージすればすぐ覚えられる」みたいな内容でした。

みなさんは、どう思いますか?
いいと思いますか、悪いと思いますか?
そしてそれは、どうしてですか?

回答は、以下の通りです。
まず、一つ目の問題点。根本的な質問です。
「アメリカ人がsignage(看板)と言う単語を聞いた時に、サイだのネジだのを連想しますか?」
「しません。」
アメリカ人が連想もしないものを、あなたが覚えてどうするのですか?
「外語を学ぶ」とは、新しい感性からなる新しい表現をゼロから構築することです。
例えば「13」は日本では普通の数字ですが、欧米では忌み嫌われる数字です。
意味だけでなくそこにある情感そのものを複製して共感するのが、言語を学ぶということなのです。
そこに日本語を持ち出すこと自体、根本から外れています。

二つ目の問題点。
この単語を覚えて、どうするのですか?
使い方の想像できない単語を、単独で丸暗記しても意味がありません。

つまり、これは学校の筆記試験に対応する中学生レベルの暗記法なんです。
こんなやり方では会話にも対応しないし、バイリンガルも育成できません。

当教室では、この単語を覚える場合、こうやって処理します。

1.画像を検索する。すると看板や標識の絵がたくさん出てくる。
その中で、検索して一番気に入ったものや印象深いものを使って、文字を音として読み、その画像と結びつける。

2.その単語を使って文を作る。
例えば、
This signage is beautiful
I like this design
など、すでに知っている簡単な言葉を使って文を作り、それを使って誰かとしゃべっている様子を想像しながら、何度も練習する。

原則1。
画像と音声を結びつける。

原則2。
新しい単語は孤立させないで、古い単語を使って覚える。
すると、馴染みのあるものに溶け込んで早く消化・吸収できる。
①以前の単語を復習できる。
②表現法の練習ができる。
③新しい単語も覚えられる。
その結果「速く覚えられて応用も広く、しかも日本語を必要としない」。
外語は、日本語とは融合しない。
なので、日本語の翻訳とセットにして覚えるのではなく、以前に習った外語とセットにして覚える。
外語は、外語としか結びつかない。

原則3。
練習は、必ず誰かに向かってそれを喋っている自分を想像しながら行なう。
相手の会話文も想像できれば、尚よい。
会話は、相手がいなければ練習できないものではない。一人でやれば効果倍増。
もし使い方の想像できない単語は、今の自分にとっては不要のものなので無理に暗記しなくてよい。
幼児に「権利」だの「主張」だのと、無駄な言葉は覚えさせないのと一緒。
簡単で応用の広い単語から覚えていく。
時期が来たら、無理に覚えようとしなくても自然と覚えられる。
(いつ、どのくらいの頻度で単語を増やすのが最適なのかは、別の機会に。)

以上が、効率の良い単語の学習法です。
今回はたまたま英語を例として示しましたが、何語であってもこれらの原理は変わりません。
どの言語であっても、幼児の母語習得原理は一緒。それが最良なものだからです。

母語を覚えた時と同じルートをたどるのが、最も自然な習得法なのです。

ネットに出ていた「効果的な英単語記憶法」。
ネットに出ていた「効果的な英単語記憶法」。

2022/06/01

「脳の使い方を指導する」とは。

まず、図をご覧ください。

この図の「ルートA」は、以前言った「動かないファイル」です。あなたの心と中国語は直接つながっていないため、最初に出るのは日本語、それから転換時間を経てようやく中国語に辿り着きます。

そして「ルートB」は、心と中国語が直接つながる神経回路を新設するため、すぐに口から出ます。

当然、私はルートAを避け、ルートBを生徒さんの頭の中に構築するように指導するわけです。
しかし、運動と違い頭の動きは目に見えません。
目に見えないものを、私はどうやって指導するのでしょう?

答えは「ファイル性質の違いから見分ける」です。

まず、ファイルを脳内に入力する際、ルートAは「理解」するだけだから一度解説をすれば終わりです。
例えば、中国語の「蘋果」は日本語の「りんご」です、と一度言えば済みます。何度も言わなくていいです。
しかし、ルートBは理解ではなく反射を求めるため、日本語で「りんご」だと認識せず「蘋果」の発音が先に出るまで、何度も反復練習する必要があります。

つまり、ルートBを構築するために何度も練習させているのに「先生、それはわかったからもういいよ」と言う生徒は、ルートAを構築しようとしているわけです。
ルートAは「理解」なので、理数系と同じく同じことを何度もやる必要はありません。しかし、
ルートBは「反射」なので、同じことを何度も繰り返す必要があるのです。
神経反射は、繰り返さないと形成されません。
これは、語学・体育・芸術などに共通するファイル形式。
つまり、ルートAは「理解」、ルートBは「反射」であり、それぞれちがう種類のファイルなのです。

ルートAに陥っている場合、転換時間がかかるので分別できます。
「これは何ですか?」
「あれはりんご、りんごは中国語で「蘋果」。
これは、答えが合っていても0点です。
もうおわかりのように、このファイル形式ではいくら努力しても反射レベルでの会話は一生できないからです。

一方、ルートBは無時間反応です。
「これは何ですか?」
「香蕉(バナナ)!」
これは、答えは間違っていますがルートBを使っているのでファイル形式は正しいです。
なので50点、答えを差し替えれば100点です。
ルートAを使ったら、答えが合っていてもファイル形式から間違っているので0点、
ルートBを使ったら、答えが間違っていてもファイル形式が正しいので50点。

0はいくら累積しても0なので、ルートAをさまよっている限り、迷路からは抜け出せません。
「まだ慣れてないから反応が遅い」のではありません。
「脳の使い方が根本から間違ってるから」正解を知ってても会話にならないのです。

幼児英語などで使う「フラッシュカード」は、まさにこれを目的としており、時間をかけないためにはルートBを作るしかありません。考える時間を与えると、たいていの人はルートAを構築してしまうのです。

「理解」は一瞬でできますが、使う時には転換時間がかかります。
「反射」は反復が必要ですが、使う時には一瞬。

このちがいを認識し指導できるかどうかで、結果が大きく変わります。

「脳の使い方を指導する」とは。
「脳の使い方を指導する」とは。

2022/05/30

あなたが、まず最初にすべきこと。

前回、外語とは異世界。
外語学習とは、独特の発音・リズム・語順・ニュアンスなどからなる、日本語とは全く違う世界にトリップすることだと私は言いました。

それらを体感するためには、「想像力」が必要。
例えば、パラレルワールド。
もしあなたが中国に生まれ育っていたら、話す言語も立ち居振る舞いも今の日本人のあなたとは全く違います。
その「異世界に生まれ育った自分」が、あなたの目指すもの。

実際、本物のバイリンガルは、その言語をしゃべっている時にはその国の人のような表情しぐさをします。
これは二重人格なのではなく、言語そのものに性格があるので、その影響を受けるのです。
エセリンガルは「外語知識が豊富なだけの日本人」。
あなたは、どっちになりたいですか?

もし本物のバイリンガルを目指すなら、あなたがまずしなければいけないことは「ペラペラにしゃべっている自分を想像すること」です。

これがまずできれば、今の練習が正しいかどうかは潜在意識が判断してくれます。
例えば、
①辞書に載っている単語を、毎日10個ずつ覚える。
②知っている簡単な単語を使って、ネイティブと自在におしゃべりしている自分をイメージトレーニング。

この意識が根底にあれば、①はやる前と後で、何の変化もないことがわかります。
あなたの描くイメージには一歩も近づかないので、無駄な努力だと直感でわかります。
簡単な会話もできないのに、難しい単語を翻訳で覚えても、ごみファイルが脳内に増えていくだけ。
一方②は、新しい知識は増えなくても、発音が上手になる・覚えた単語がさらに深く身につく・単語を組み合わせた表現法がさらに豊富になる、など自分の描いた理想の姿に近づいていくのがハッキリわかります。

つまり、本物のバイリンガルになるということは、俳優を目指すのと近いのです。
そこに必要なのは想像力であり、理解や知識ではありません。

あなたが、まず最初にすべきこと。
あなたが、まず最初にすべきこと。

2022/05/30

翻訳がいけない理由。その2

前回は、神経ルートの視点から、学習効率としての翻訳がいけない理由を言いました。
(説明や指示のために日本語を使うことは、問題がない)

今回は、また別の視点からの話です。
各言語には、それぞれ独自の世界観が反映されています。
各言語独特の発音を独特の順番で並べ、独特の味付けで表現します。
それらの言語は、独特の発音・リズム・語順などで、独自の世界を形作っています。
それらは、美術や音楽との近似性が非常に近いです。

しかし多くの教材ではCDが付録でついていて、外語の文章が一つ流れると、日本語の翻訳が後に続きます。
これが、非常にダメなのです。

なぜかというと、あなたは日本語の世界観を外れて、各言語独特の発音やリズムや語順が作る異世界に、ドップリ漬からなければならないからです。
それなのに、いちいち日本語を入れていたら、世界観ぶち壊しです。

例えば、ピカソの絵を見た日本人画家が「これは、人の顔だな。人の顔を描いた絵なら、わが国にもある」のように対象を意味だけで捉えて同じものだと認識したら、もはや芸術としての価値はありません。
どう感じてどう描くかという、世界観の違いを認識していないからです。

あるいは音楽で言えば、ジャズの名曲を一曲流した後で演歌の名曲を一曲、みたいに編集したCD。
そんなCD、買いたいですか?
「世界観ぶち壊しだろ!」と気分が悪くなるのが正常な反応ですよね?
ジャズが悪いのでも、演歌が悪いのでもありません。
それらをごちゃまぜにすることこそが、ダメなのです。

これらと本質的に同じことをしているのが「日本語と外国語を翻訳でつなげる」という学習方法なのです。
外国語は日本語とは、融合しません。
外国語が融合するのは、あなたの心だけです。

翻訳がいけない理由。その2
翻訳がいけない理由。その2